教育を卒論のテーマにするときはどうしたらいいの?
教育、この言葉ほど今の日本に重要なテーマはなかろうかと感じます。子供を教育することは以前は国力を養うことと捉えられていました。もちろん、現在も少子高齢化が進み、子供たちが日本を支えてもらうためには非常に重要な位置づけであることは間違いありませんが、少し軽んじられている感覚があるのも否めないところです。
このような教育をテーマにした卒論を形作っていくためにはいくつかの課題について論じる必要があると思います。そしてそれぞれについて自分なりの調査、考察結果を提案する形にするのがよかろうかと思います。
1現在の日本の教育の現状
2教育現場の課題
3高等教育のあり方について
4教師の育成について
5学校教育とは何か
6今後の教育があるべき姿について
例えばこの6点について現場と考察、提案を上げていくべきかと思います。
1現在の教育の現状
小学校、中学校、高校、大学に至るまで現在の教育の現状は非常に厳しい状態だと総じて言えると思います。偏差値至上主義からは少し変わりつつありますが学校教育において偏差値を求める姿がなくなり、勉学に関しては塾が中心になっています。かといって人間教育に学校が一役を買っているかと言われるとそれも難しいところです。学校の授業だけではなく部活動や生徒指導の場面で生徒と教師の関係が希薄になり、必要以上の関係を持とうとするとそれが課題と捉えられることもあり、教師と生徒の距離がなかなかつめられないからです。
このような課題を踏まえ現場をどのようにしていくべきか、自分なりの意見を述べるべきかと思います。
2教育現場の課題
教育現場の課題はなんといっても教師が繁忙感があること、やりがいをなかなか見つけられないこと、やりたいことを実行しようとしてもしがらみが多く実践できないことです。公立の教師は特にその傾向が強く、私立の教師は自分自身の志に似通った学校で勤めることがあるのでこの課題については少し薄いと言えるでしょう。さらに、ゆとり教育と子供の学びの増加。例えば英語教育やプログラミング教育を小学校から学ぶにあたってもともとノウハウがない小学校の教員がどのようにしてそれを導入していくのか、外部の力を借りるべきなのかなど非常に大きな課題があります。正直なところこの辺の課題については公立と私立で大きな差があり、子供に学びの場を設けたいのであれば公立ではなく私立を選ぶ親が増えているのも確かです。そしてここでまた大きな課題になります。社会的な課題にもつながると思いますが、学びの場を設けようとすると私立でお金がかかると言うこともあり裕福な家庭が良い教育を受けさせることになり必然的に収入の差が学びの差につながる、正しく悪循環だといえます。
3高等教育のあり方について
日本の高等教育が少しずつ変わりつつあるといってもまだまだ欧米に比べると詰め込み型で知識優先である事は間違いありません。ここにおいても公立と私立で大きな違いが出てきます。私立であれは資金に余裕もあり、教員のノウハウも外部のノウハウを活用することができるので体験型、蓄積型で様々なカリキュラムを組むことができます。しかしながら公立では文部科学省に決められたメニューをこなすことで精一杯でなかなか社会に出てから役立つような教育を受けさせることができません。実際のところ教員もこの課題には気づいているはずですが、構造的な課題のため解消できないのはそもそもの課題だと思います。論文を書いていく場合にはこの構造的な課題をどのように解決することができるか、自分なりの論点を持って記載していくべきだと思います。
4教師の育成について
教員の育成も今の教育現場では大きな課題になっています。学生から突然社会人になり、今の大人びた子供たちを相手するにあたってどのように子供と接していけばいいのかわからないと言う大人が多くなっているからです。もちろんベテラン教師が子供の扱いがとられている、子供の考え方がよくわかると言うわけではありませんがうまく製造業やその他の作業と同じく教育業界も技能の伝承、ノウハウの伝承ができるようにしなければなりません。もちろん高齢者の教育関係者の活用は既に進んでいますが、若者にとって教育現場が魅力のある職場だと感じてもらえるように動かなければどんどん教員希望者が減っていくばかりです。どうすれば教員希望者が増えるか、これも論文の中で記載していくべきではないでしょうか。
5学校教育とは何か
非常に大きなテーマです。戦後の復興期の日本においては学校教育の中ではのびのびと部活動や勉強、遊びの場を提供することで自然に子供が成長することを促しました。しかしながら社会構造がどんどん複雑化し、価値観が多様化する中では学校教育に求められるものも時代とともに変わります。また個人によって求めるものが変わる以上、教育現場も様々なニーズに答えられるノウハウが必要になってきます。
非常に大きなテーマです。戦後の復興期の日本においては学校教育の中ではのびのびと部活動や勉強、遊びの場を提供することで自然に子供が成長することを促しました。しかしながら社会構造がどんどん複雑化し、価値観が多様化する中では学校教育に求められるものも時代とともに変わります。また個人によって求めるものが変わる以上、教育現場も様々なニーズに答えられるノウハウが必要になってきます。しかしながら個別指導で学校教育を行うことが難しいので、それぞれの生徒に合わせてどのように教育を施していくか、非常に悩ましい課題だと思います。40人1クラスを35人にしたところで、たいして変わるものではありません。
6今後の教育があるべき姿について
正直なところ学校教育だけですべての子供を育てていくことには無理があります。もちろん少子高齢化が進むにあたり1人の子供に対してかけられる時間は増えていますが、これだけ多様化が進んでいくと子供や親が教育に何を求めるかを選択し、自発的に選んでいくことが重要になります。しかしながらここで問題になるのは裕福な家庭であれば教育を受けることができるがお金がなければ教育を受けることができない、その課題になります。この課題を解決するためにセーフティーネットを設け最低限の教育を受けさせるためにどういったことができるか、これを卒論で提案することも非常に重要でしょう。