卒論、結果の書き方について、教えます。

卒業論文の「結果(Results)」の部分は、研究のデータや分析結果を客観的に示す重要なセクションです。
しかし、「どこまで詳しく書けばいいの?」「考察と何が違うの?」と悩む人も多いでしょう。

今回は、「結果」の基本的な書き方と、分野ごとの具体例を紹介します。


1. 「結果」の役割とは?

「結果」セクションは、研究のデータや分析結果を事実に基づいて報告するパートです。

「結果」のポイント

  • データや分析の結果を整理して示す(グラフや表を活用)
  • 主観や解釈を入れず、客観的な事実を淡々と述べる
  • 「考察(Discussion)」との違いを意識する

「結果」と「考察」の違いは?

結果: 「アンケート調査の結果、SNS利用時間が長いほどストレスレベルが高い傾向がみられた。」
考察: 「SNSの長時間利用がストレスを増大させる可能性がある。これは既存の研究とも一致している。」

結果はデータや事実を淡々と書く。考察ではその意味を深掘りする、という違いがあります。


2. 「結果」に書くべき内容

「結果」の書き方は分野によって異なりますが、一般的には以下の構成になります。

✅ 「結果」の基本構成

1️⃣ データの概要(どんなデータが得られたか)
2️⃣ 主要な結果(表・グラフを使いながら、分析の重要なポイントを説明)
3️⃣ 補足的な結果(必要なら追加のデータも示す)

✅ 「結果」作成時のポイント

  • データを整理し、シンプルにまとめる(無駄な情報を省く)
  • 適切にグラフや表を活用する(視覚的に分かりやすくする)
  • 解釈や主観は入れない(淡々と報告する)

3. 分野別の「結果」の書き方の例

📌 (1)経済・経営・財務分析系の卒論

▶ 結果の書き方の例

本研究では、2015年から2023年の財務データを用いて、日本企業の自己資本比率と収益性(ROE)の関係を分析した。
図1に示すように、自己資本比率が40%以上の企業群は、20%未満の企業群よりも平均ROEが高い傾向がみられた(p < 0.05)。
また、業種別の分析では、製造業と非製造業の間で統計的な有意差は確認されなかった(表2)。

ポイント

  • データの概要(2015~2023年の財務データ)
  • 主要な結果(自己資本比率とROEの関係)
  • 統計的な検証結果(p < 0.05など)

📌 (2)心理学・社会学(アンケート調査)の卒論

▶ 結果の書き方の例

本研究では、SNS利用時間とストレスレベルの関係を分析するため、大学生200名を対象にアンケート調査を行った。
その結果、1日あたりのSNS利用時間が3時間以上のグループは、1時間未満のグループよりも平均ストレススコアが有意に高かった(t(198) = 3.12, p < 0.01)。
さらに、利用目的別の比較では、「情報収集」を目的とした利用者と「交流」を目的とした利用者の間に有意な差は見られなかった(図2)。

ポイント

  • 主要な結果を明確に述べる(「3時間以上のグループはストレスが高い」)
  • 統計的な検定結果も記述する(「t(198) = 3.12, p < 0.01」)
  • 視覚的に補助するために図表を活用

📌 (3)文学・歴史学(文献研究)の卒論

▶ 結果の書き方の例

本研究では、〇〇時代の文学作品における「家族観」の変遷を分析した。
〇〇作品(1900年発表)では、家族制度の伝統的価値観が重視されていた。一方、△△作品(1930年発表)では、個人の自由を尊重する家族観が強調されていた(表1)。
これにより、20世紀初頭の社会変化が文学作品にも影響を与えていた可能性が示唆された。

ポイント

  • 作品ごとの比較を明確に記述
  • 重要な変化を表1で視覚的に示す
  • **「示唆された」**と書くことで考察との違いをつける

📌 (4)理系(実験・フィールドワーク)の卒論

▶ 結果の書き方の例

本研究では、〇〇物質の温度変化による化学反応を分析した。
図3に示すように、温度を50℃から100℃に上げると、反応速度は指数関数的に増加した。
さらに、触媒Xを添加した場合、100℃での反応速度は非添加時の約2.3倍に向上した(表2)。

ポイント

  • 実験データを数値やグラフで示す
  • 「反応速度が指数関数的に増加」など、結果を端的にまとめる
  • 考察は含めず、純粋なデータ報告に徹する

4. 「結果」のNG例と注意点

NG例1:主観的な表現を使う

×「予想通り、SNS利用時間が長いとストレスが高かった。」
→ 「SNS利用時間が長いグループのストレススコアは有意に高かった。」

NG例2:考察を混ぜてしまう

×「これは、SNSの使い方によってストレスの影響が異なることを示唆している。」
→ 「利用目的別の比較では、統計的な有意差は見られなかった。」(考察は後のセクションに回す)


まとめ

「結果」セクションは、客観的なデータを明確に示すことが最優先!

1️⃣ データを整理し、シンプルにまとめる(余計な情報を省く)
2️⃣ 表・グラフを活用し、視覚的に分かりやすくする
3️⃣ 主観や解釈を入れず、事実のみを淡々と述べる

これらのポイントを押さえれば、「結果」のセクションを適切にまとめることができます!