卒業論文を書くとき、指導教員から「まずは草稿を作ってみよう」と言われることが多いですが、「草稿って何?」「下書きとは違うの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
「草稿」とは、完成前の段階で作成する仮の文章のことです。いわば、卒論の設計図のようなものであり、本番の執筆に向けて、論理の流れや構成を整理するためのものです。
では、具体的に「草稿とは何か?」そして「どのように作ればいいのか?」について詳しく解説していきます。
1. 草稿とは何か?下書きとどう違うの?
「草稿」という言葉は「下書き」と似ていますが、厳密には少し違います。
- 草稿(ドラフト):まだ文章が完全にはまとまっていない状態。全体の流れや主張を確認するために作成する。
- 下書き:本番の文章に近いが、まだ修正の余地がある状態。表現や細かい部分をブラッシュアップする段階。
つまり、草稿は「試作段階」のものであり、文章が未完成でもOKというのがポイントです。とりあえず書き始めて、論理の流れを組み立てることが重要になります。
2. なぜ卒論に草稿が必要なのか?
「いきなり本番の卒論を書き始めたらダメなの?」と思うかもしれませんが、草稿を作ることで次のようなメリットがあります。
(1) 論理の矛盾を発見できる
卒論は論理的な構成が求められますが、いきなり完成形を書こうとすると、話が飛躍したり、根拠が不足したりしがちです。草稿を作ることで、全体の流れを確認し、矛盾や不足点を早めに修正できます。
(2) 執筆のハードルを下げられる
「いきなり本番の文章を書かなくていい」と思えば、気持ちが楽になります。とにかく考えたことを文章にしてみることで、執筆の第一歩を踏み出しやすくなります。
(3) 指導教員のアドバイスを受けやすい
多くの指導教員は、完成した卒論ではなく、草稿の段階でフィードバックをくれます。早めに草稿を見せることで、修正点や方向性を確認し、無駄な書き直しを減らすことができます。
3. 草稿はどのように作ればいいのか?
(1) まずはアウトラインを作る
いきなり文章を書くのではなく、まずは論文の大まかな構成を考えます。例えば、以下のようにセクションごとの要点を書き出してみましょう。
例:「アニメの聖地巡礼の経済効果」についての卒論のアウトライン
- 序論(問題提起と研究の目的)
- アニメ聖地巡礼が観光に与える影響とは?
- 先行研究にはどのようなものがあるか? - 先行研究の整理
- 聖地巡礼と観光の関係についての研究を紹介
- 既存の経済効果分析の手法を整理 - 研究方法
- 聖地巡礼の経済効果を測るためのデータ収集方法
- 具体的な分析手法(アンケート調査、統計分析など) - 分析・考察
- 収集したデータを用いた分析
- どのような影響があるのか? - 結論
- 本研究のまとめ
- 今後の課題
このように、各章で何を書くのかを整理すると、草稿がスムーズに進みます。
(2) とにかく書いてみる(完璧を求めない)
草稿は未完成でOKです。最初からきれいな文章を書く必要はなく、「とにかく文章を並べてみる」ことが大切です。
例えば、序論を書くときに「導入部分がしっくりこない」と悩んでも、まずは仮の文章を書いておけば、後で修正できます。
例:「とりあえず書いてみる草稿」
「アニメの聖地巡礼」は、近年観光業界で注目を集めている。しかし、その経済効果については十分に研究されているとは言いがたい。本研究では、聖地巡礼が地域経済に与える影響を分析することを目的とする。
ここから、データを追加したり、表現を磨いたりして、徐々に完成形に近づけていきます。
(3) 指導教員に見てもらう
ある程度形になったら、指導教員に見せてフィードバックをもらいましょう。草稿の段階で修正点を指摘してもらえば、完成版の手直しが少なくなります。
4. 草稿作成でよくある悩みと対策
(1) 「何を書けばいいかわからない」
➡ とりあえずキーワードだけでも書き出す
→ いきなり長文を書こうとせず、まずは箇条書きでアイデアを整理しましょう。
(2) 「文章が下手で不安」
➡ 最初から完璧を求めない
→ 草稿は「未完成でOK」と考え、まずは書き出してみることが大切です。
(3) 「ページ数が足りない(または多すぎる)」
➡ 情報の取捨選択をする
→ データや事例を増やして内容を充実させるか、逆に冗長な部分を削って整理しましょう。
まとめ
「草稿」とは、卒論の本番執筆に向けた試作段階の文章です。
✅ 論理の流れを確認するために作成するもの
✅ 完成形ではなく、未完成でOK
✅ アウトラインを作り、とりあえず書いてみるのが大事
草稿を早めに作って指導教員に見せることで、スムーズに卒論を進めることができます。「いきなり完成形を書かなくていい」と思えば、執筆のハードルも下がるはずです。ぜひ、草稿を活用して、無理なく卒論を仕上げていきましょう!