卒論でイスラム教について論じたい場合。
卒論で宗教をテーマにしようと考えた場合、とても難しいジャンルの1つと言えるでしょう。
それだけにイスラム教圏に文化や生活習慣に関心を持っていても、実際に書いてみようとすると、かなり難しく感じるはずです。
大学でも政治や国際経済を専攻している学部やでも、イスラム教について学習することもあります。
しかし、いざイスラム教をテーマにして卒論を進めていくには、どの観点からアプローチして行けばいいのか、かなり迷ってしまうことでしょう。
そこでここでは、イスラム教に関して、色々と考察を深めて行くことにしましょう。
●イスラム教とは
イスラム教をテーマにした卒論を書く場合、まずこの宗教の教義を押さえておく必要があります。
イスラーム教(イスラーム)は、唯一の絶対神とされる「アッラー」を信仰対象しており、神が最後の預言者ムハンマドを通して人々に啓示したコーランという経典の教えを信じる一神教です。
日本語では、回教とも訳されることがあります。
●イスラム教の人口
次に宗教人口も押さえておきたい項目です。
イスラム教の信者はどのくらいいるのでしょうか?
実はグローバル規模で見ると、約18億人以上ものイスラムの教徒がいると考えてられています。
ムスリムと呼ばれる彼らは、中東にいる人々というイメージがありますが、もっとも教徒が多いのは、インドネシアで2億2千万人も上ります。
これは全人口の90%を占めている程です。
しかも、ムスリムの50%以上は、パキスタン、バングラデシュ、インド等のアジア圏に集まっています。
その他、ヨーロッパ4千万人、中国2千万人、日本でも10~20万人のムスリムがいるとされています。
日本国内では、大都市圏を中心にムスリム留学生、企業研修生として日本に来ているムスリムもいます。
●イスラム教の慣習
次に理解しておくポイントは、イスラム教の慣習を押さえておくことです。
イスラム教の教えは、1日の夜明前・昼・午後・日没・夜の1日5回の礼拝が習慣化しています。
礼拝の時間は、場所や日の出、日の入りの時刻で日々変わって来ます。
これは仕事中でも行われることなので、日本企業に勤めるムスリムでも、この習慣をはずすことがないでしょう。
●イスラム教のタブー
そして、イスラム教で禁じられていること、いわゆるタブーについても、しっかりと理解をしておかなければなりません
。
イスラムのタブーとしては、寺院でモスク(礼拝堂)に女性が入ることはできません。
また、入る時祈りの時間を避けて正装で行くことがあります。
国によっては、女性が寺院に入ることができる所もあります。
その場合はスカートやタンクトップのように肌を露出することはタブーとされています。
また、食習慣についても 注意することがあり、イスラム教徒では豚肉を食べないことになっています。
ラマダンと言われる断食の月には、外食することもできず、アルコール類も禁止されています。
この他、よく知られているのとは、左手が不浄なものとされていることです。
物 の渡したり、もらいうけたり、また食事の時に左手を使わないようにする習慣もあります。
また、イスラム教の他に仏教やキリスト教等の他の宗教が入り交じる国では、れぞれの習慣を理解することも重要になってきます。
服装面については、前でも触れましたが、女性は寺院の中は当然ですが、町の中でも肌を露出させた服装で外出先することはできません。
●イスラム教の価値観
そして、イスラム教の価値観についても触れておきましょう。
イスラム教の世界では、ギャンブルがタブーとなっています。
ギャンブルは「悪魔の業」と称させており、賭博が禁止されていることからして、ここにもイスラム独特の価値観があります。
イスラム教圏の社会では、他社会と比べてギャンブルに対する厳格な考え方があります。
イスラム教の基本的な考え方は、教典のコーランに基づいており、ギャンブルについてもはっきりと禁止されています。
コーランでは、酒や賭け事、占い等は忌み嫌われる悪魔の業とされており、これを避けるように説いています。
では、どうしてイスラム教では、このようにギャンブルを禁止しているのでしょうか?
それは「悪魔の業」とまで言って強く禁止しているイスラム教の根本的は部分にか変わってきています。
コーランは預言者ムハンマドを通して神が伝え言葉なのですが、その教えを厳しく守り続けてきたものです。
元々、コーランの内容は、それを覚えている人が朗読しなから、教徒に広めること次第に人々の間に根付いていきました。
しかし、長い年月の間に伝承する人の理解や記憶の違いから、ズレや間違いが生じていくリスクもありました。
その結果、ムハンマドが語った内容を、間違いなく正確に、そのままにアラビア語で書き起こして残したものが、現在ほのコーランです。
コーランは神そものもの言葉であり、この言葉に従うことは、イスラム教社会では絶対的なルールとなっています。
ここでも、ギャンブルが禁止されていることは、髪の絶対的な教え・ルールに違反して悪の道に行ってしまう児ともされ、タブーとなっているわけです。
●イスラムの価値観は長期的な視野に立ったもの
さらに踏み込んで、イスラム教の価値観を考えていきます。
イスラム教はギャンブルについて、厳しく制限されていますが、これと同じく利息の禁止、宗教的に禁じられている製品への投資を禁止したり、不確しかなものに対する取引も禁止されています。
これは、仕事をせずに金を得ることを禁止するコーランの教えが元になっています。
●イスラム教の世界観
こうした決まりが作られてきたことから、イスラム教ならではの独特な世界観が伺えます。
イスラム教の世界では、人間の知識を高めることによって、曖昧なことを減少さることができるとされています。
但し、イスラム教の価値感を保ちながら、人々の利益のために禁止しているルールの運用を変化させながら、新たな未来に対応していくことも可能であり、現在の問題も将来的には消滅していくことにされているのです。
●まとめ
イスラム教では、アッラーの偉大な教えで、自分が救われるという思想が脈々と受け継がれてきました。
そのために短期的な利益でなく長期的な視野に立った救済的なことが求められいます。
前出のギャンブル行為でも、短い間に利益を作り出すことができたとしても、長期的に眺めると、社会の平穏を乱してしまう危険性がはらんでいるとされているのです。
イスラム教で卒論を書く時には、これらの説明してきたことを踏まえて、ストーリーを組み立てていくといいでしょう。