三国志で卒論を書く。その方法とは?
1.まずは三国志の全体を把握
卒論で三国志を語る場合は、まず全体の把握が欠かせません。三国志とは、魏、呉、蜀の三国に関する物語です。魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備の英雄たちが活躍します。漫画だと横山光輝さんの「三国志」が非常に有名で分かり易く、全30巻からなる本ですが、それほど時間はかかりません。歴史小説で有名な吉川英治さんも小説ですが、吉川英治さんは歴史小説を主に書かれた方なので、実際に読んできると、挫折することなく読むことができます。
三国志上で有名な戦いは赤壁の戦いであり、蜀の国が呉の国と手を組み、魏の曹操を迎え撃った戦です。映画にジョン・ウー(呉宇森)監督による「レッドクリフ」I、IIが物語を知るには適切な映画であり、豪華キャストからなる、壮大な映画です。放映された当時、製作費100憶を掛けた大作と言われた映画で、日本の俳優さんも数人出ておられます。
2.三国志の中には良き軍師やそれぞれの名言がある
国を支えていくには、領主のみが優秀であっても、上手く国は成り立って行きません。三つの国にはそれぞれ優れた軍師が存在していました。一番有名な軍師は蜀の国の諸葛亮孔明でしょう。劉備が孔明を軍師として迎え入れる為に、「三顧の礼」を尽くした話も有名な話です。また、その孔明が劉備玄徳に対して、「天下三分の計」を説いた話もあります。呉の国であれば、周瑜が有名な呉の軍師の一人で、映画 レッドクリフでも大活躍しています。勿論、魏の国にも、何人も優れた軍師はいました。
三国志の全体像をまず調べ、魏誤蜀の国を支えた軍師に対して、深掘りして、その人物像の違いを自分なりに考察していくだけでも、一冊の卒論として出来上がるでしょう。また、三国志の中には「天下三分の計」、「三顧の礼」、「将師、勇ならざるは、将なきに同じ」という様な名言がいくつも出てきます。こういった名言は軍師だけでなく、三国の領主の名言もあります。温故知新ではないですが、ビジネスや仕事に役立つような三国志関係の本が出ていることも事実です。全ての名言を調べることは膨大ですが、人物を絞るなり、国を絞るなりで、名言集をまとめて見るのも良いでしょう。その時に、なぜ、そういった名言ができたのか、また、今の時代にそういった名言の考え方をどう生かすことができるのかを考察し、まとめて、これからの自分の人生に行かせられる様な結論付けを行ない、卒業論文をまとめることができれば、単なる卒業論文作成だけではなく、自分の知識の引き出しを増やすことができるでしょう。こういった知識は、これからの人生での面談や取引先の方々との話し方や話題作り等に自分の実績を増やしていくことができます。「風林火山」も有名な中国の名言をあの武田信玄が自分の旗印に書いたことでも有名です。中国の歴史の中には名言が多く、大きな書店を見れば、孔子等も含め、ビジネス関係の本が多い事が分かるでしょう。
3.何故、魏呉蜀の国は天下統一まで果たせなかったのか
三国志の中で、それぞれの国がそれぞれの理由によって、滅んでしまいます。モンゴルの元の国の様に大きな国での天下統一を果たすことができなかったのでしょうか。三国志の中で、魏の曹操孟徳が一番、天下統一の野望を企んでいたのではないかと感じます。日本でも、織田信長が天下布武を掲げながら、本能寺の変で、野望半ばで、倒れてしまいます。明智光秀に謀反を企てられたためです。では、なぜ、日本の徳川家康は長い間、徳川政権を維持することができたのでしょうか。そういった考えに立って、歴史を調べ、自分なりに分析していくことも重要です。具体的な本で、面白そうな本を挙げると、「実説 諸葛亮孔明 ある軍師の生涯」という本が守屋洋氏の本にあります。「諸葛孔明 「三国志」とその時代」、宮川尚志氏が執筆された本もあります。
分かり易い為に、織田信長を例に考えると、部下との関係、リーダーシップ性が上手く行っていなかったのであろうということは推定できます。徳川政権を考えても分かる様に、必ずしも、自分の子供に政権を譲るのではなく、御三家などから、将軍を選んでいることからも、歴代ずっと、リーダーシップ、カリスマ性のある人物は出てこないことが分かります。こういった分析や考察は現代に通じるものがあり、専門的に言えば、帝王学や経営者が学ぶべきことに繋がっていきます。
ビジネス、仕事での人間関係はボランティアではなく、会社の利益を出して仕事をしていくことが重要です。その為、単純な和気あいあいとした人間関係では務まらないでしょう。今の世の中、パワハラやモラハラ等、人間関係に苦しんで、結局、退職をしたり、やむを得ず、非派遣社員になってしまったりケースも多いでしょう。
人生の中で人と関わりなく、自分の人生を一生過ごすことは難しいでしょう。また、今は業務の効率化、ビックデータ、人工知能、AIといった様に、技術進歩が日進月歩で進んで行く中、自分はどう山あり谷ありの人生を乗り切っていくのかが問われることでしょう。これまでに経験したこともない壁ができ、その壁をどう乗り切るかを問われることでしょう。知識、トラブル回避策・解決策を探るには一人ではどうしても乗り切れないものです。そういったケースで歴史は繰り返すではないですが、過去の判例を多く知っているか、また、周りの人とのコミュニケーションをどううまくやるかが重要です。三国志時代と今の現在では技術文化が全く異なると思いがちですが、それに関わっているのは人間であり、その人間は過去も今も同じでしょう。
こういった過去から学ぶべきことが多いから、孔子の兵法等の本が今での出版されており、購入している人が多い事も事実でしょう。過去から、歴史を学ぶ、人生の乗り切り方を学ぶ、あるいは二国間の軍師や領主の駆け引きを学ぶこともできるでしょう。
三国志からは色々なことが勉強できることも事実であり、若い時で時間がある学生時代に勉強して見るのがビジネス面、歴史面、人間関係面、コミュニケーション能力面等、現代に通じるものが多いです。三国志は勉強し出すと幅が広いので、自分なりの考えが正しいのか否か、現在の考え方に相通じるものがあるのかといった分析・考察を交えながら、まとめると良い卒論が出来上がると感じます。これをきっかけに歴史上に登場する登場人物に興味を持って行けば更に、自分の幅を広げることができるでしょう。